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詩人バトル読書会

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第120回 痕跡 石川順一さん - 金河南

2011/04/05 (Tue) 10:23:25

世界を読者に投げっぱなしにしている印象を受けました。

キーワードで読者に連想させる所までは成功していると思います。
「左」「手首」「痕跡」でおそらくリストカットを主題にし、「饐えた」「出来た」「何時から」から、過去に傷ができたのだろう、というのは分かりました。

しかし、そこから先の世界がまったく広がりませんでした。
「……それで? あとは?」
というのが感想です。

ではどうすれば短い一文で、読了後の世界が広がるのでしょうか?

まずイメージ/言葉の重複が目立ちます。
「左手の手首」「細い縞状の」「タイトルと本文中の「痕跡」」
それらをどれか一つにすれば、文の中に、もっと読者に伝えられる要素を盛り込めるのではないでしょうか。

それから、文の最後「何時からだろう」に
もう少し、主人公自身に関連する内面性の強い言葉を入れたら良かったかも知れません。
これはただの例ですが
「知っているはず」「思い出せない」「(目を)そらせない」など。

たとえばこれらの語句をタイトルにする、あるいは何時からだろうの後に入れるなら、
もっと読了後に世界が広がる感がします。

世界を見せた後、ただ見せて漠然と終わるのではなく、読了後の、読者の思考の方向性を位置づけてほしかったと思います。


稚拙ならが批評させていただきました。
どうもありがとうございました。

Re: 第120回 痕跡 石川順一さん - 石川順一

2011/07/31 (Sun) 19:29:09

 カメレスですが評を有難う御座います。そうですね、この詩はリストカットの詩では無いのですが、確かにそう指摘されるとそう言う方面の想像力を発揮して詩にすると又違った詩的展開を持った詩が出来たかも知れません。この詩は手首に限らず皮膚の色と言うのは有色人種や白色人種の様な明確な違いではなく、もっと小さな差異を基準にして見ると実に些細な差異に基づいたグラデーションを持っているのだなあと言う感慨に基づいて居ます。なので別に手首でなくても良かったのですが、手首を持って来ると詩作し易いと感じたのです。つまり実体験なので、リストカットの方面は結構想像力の翼は開きますが、現実的ではないと言うネックをどう克服するかと言う方面で詩作するには又違った格闘があるのだろうなあと思います。

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